公園へ行かないか? 火曜日に
公園へ行かないか? 火曜日に
イット ウッド ビー グレイト
PR誌「ちくま」2月号より、作家の柴崎友香さんのエッセイを特別公開いたします。2016年秋にアイオワ大学をはじめアメリカに滞在した経験を起点とした「文脈とコミュニケーション」をめぐる話です。ぜひお読みください。
クリエイティブライティングのコースをアメリカで初めて作ったアイオワ大学の、世界各国から作家(小説家、詩人、脚本家、劇作家)が三十数人集まって十週間過ごすインターナショナル・ライティング・プログラム(IWP)に参加していた二〇一六年秋、プログラム外のイベントであるオレゴン大学での授業と朗読に、アイオワ大学で日本文学を教えているケンダルさんと向かう途上のできごとだった。アメリカに来る前には、今までに参加した人ややりとりをしていたスタッフから毎年英語が苦手な人は一人、二人いるからだいじょうぶと言われていたし、IWPでの経験を書いた中上健次や水村美苗のエッセイを読んでも英語がほとんどできない人が参加していたのでなんとかなるかと思っていたが、八月に蝉の鳴くアイオワシティでプログラムが始まって二日目、自分が参加者の中でいちばん英語が話せないと気づいた。
公園へ行かないか? 火曜日に
2016年11月8日、わたしはアメリカで歴史的瞬間に居合わせた、はずだった――。世界各国から作家や詩人たちが集まる、アイオワ大学のインターナショナル・ライティング・プログラムに参加した著者が、英語で議論をし、街を歩き、大統領選挙を経験した3ヶ月。現地での様々な体験から感じたことを描く11の連作小説集。
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